1999年08月24日

セーソク

 先生、ホント歳とらないっすよねえ。え?あと3年で定年?なんとまあ。あの頃は、よくスリッパでシバカレたよね。竜も清チャンも元気ですよ。この前も一緒に釣りにいったんですよ。そうそう、修学旅行ね。高2だったからなあ。女風呂覗いた僕らはしたたか叱られた。卓球部の武藤先生と2人で僕らの頭をシバイたんですよ。ああ憶えてますか。僕ら、殺されるかと思うような怖い顔でね、バシバシッとこう、手首でスナップを効かせて。アハハ、今でも僕らの間で話しますよ。いい思い出です。

 当時、僕らは自分で理系しか道はないと思っていましたからね、先生の世界史はよくスッポカシて映画を見に行ったもんです。出席をとった後、先生が黒板の方を向いている隙にですね、一番後ろの席からコソコソっと抜け出すわけですよ。今考えれば気付かれていないはず無いんですよ。なのに先生は見逃した。テストね。劣等生だったなあ僕。2学期末でね、答案用紙に、ちっとも答えが分からなくて、前日暗記した李白の五言絶句をまるまる書いて出したことがありますよね。ああ、憶えていますとも。あの答案、返却されたのを見たら大きなマルがしてあって、「得意な科目を頑張りなさい」と一言添えてあった。で、3点くれてた。

 ご存知ですか?僕達の木造校舎はもう無くなっちまったんですよ。幽霊便所も火事で燃えちゃった。あ、そうだ、あの時没収になったウオークマンとジッポーそろそろ返して下さいよ。

 仕事柄、昔の担任の先生に再会する事はしばしばだが、今日は高校2年当時の担任、島田正則先生と会った。十数年ぶりの再会。セーソク先生の目はひたすら優しかった。

 お邪魔いたしました。


Posted by たおまさ at 17:53