1999年08月18日

lonsome tailer

 僕は振り向かないまま一人で意味のない言葉を羅列していた。貴方が何を話したかったのか、はたまた何も話したくなかったのか、その時は分かろうとしていなかった。ただひたすらに、その静けさに我慢ならなかった。何を言っているのか分からないと自分で理解し始めた頃、僕はようやく思い詰めた表情の貴方に気付いたのだ。何を言ってももう遅かった。気持ちの細かい粒子が指の間から零れ落ちる、そんな感触に身を縛られながら、向こうによろよろと歩いていく貴方を見送った。



Posted by たおまさ at 17:49