1999年07月26日

十三夜の月 by 佐藤竹善

 いままで一度も触れなかったが、今月28日にリリースされる佐藤竹善の「十三夜の月」は良い。かなり良い。もうコンビニだとかテレビラジオでオンエアされてるから、耳にした人も多いかも知れないが、こいつはちょっとキキモノなのである。

 佐藤竹善といえば「SING LIKE TALKING」のリードボーカル。数々のヒット曲が知られているが、どれもボーカル佐藤の心地よい高音とバッキングのサラッとしたライトなプレイが完璧にマッチングして、どれも大変聞き易く憶えやすい。
 しかし今回リリースされるのは佐藤のソロワークス。これまでも佐藤はソロで何度か活動しているが、オリジナルソロは今回が初めてなのである。で、今回の曲はどんなのかと言うと。
 佐藤の声の心地よさは相変わらずで、いわゆる「女泣かせ系」である。しかし特筆すべきはそのバッキング。全て佐藤のセルフプレイということもあるが、これまでのSLT路線とは一線を画している。ベースラインと生ギター、スカスカのドラムを前面に押し出したアザト目の多重構成。曲の途中、何カ所かでメカニックなシンセパートも登場する事を考えると、このアザトイ感は意図的なものだろうし、見事に填っている。
 その結果、乱暴な言い方だが強烈にアイリッシュテイストを感じる。アイリッシュといえばちょっと前に出た藤井フミヤのシングル「わらの犬」もそんな感じで、聞いた瞬間「似てる!」と思ったが、ボーカルの力量で佐藤の勝ちだな。
 とにかく、シングル「十三夜の月」は、絶対に買いだ。
 佐藤ソロワークスはまだ続く。今年中にはソロアルバムも出るらしい。SLTでない佐藤の世界に大いに期待できる。


Posted by たおまさ at 17:27