1999年06月26日

超能力者

 人の心が読める超能力者は不幸だと思う。向かい合った人の心が読めても、ガッカリしそうな事の方が多い気がするから。面倒な事が多そうだから。

 超能力者が誰かと話をするとき、会話は何を元にするのだろう。僕は君の心が読めるから、てな前提があるなら別だが、多くはそうじゃないだろうし、信じて貰えないだろうし、本人に知らされた事、知らされていない事、ゴチャゴチャになりそうだ。「何故に知ってるんだ?」てな感じでおかしくなりそうだ。

 マジシャンと超能力者は別で、聞き出すのが巧妙いだけ。分からないようにいろいろカマかけてみて、反応を見る。その反応が予想した解と同じだったら、だいたい予想通りだ、てな感じ。それを裏付けるために、わざわざ罠にかけたりもする。

 超能力者に罪はないが、マジシャンは一種罪深い。なぜなら、マジシャンを信じている者ほどそのマジックに掛かりやすいから。

 言動、一挙手一動足、表情、目の動きに至るまで、全てを根拠にした技でマジシャンは見抜いてしまう。

 マジシャンはきっと楽しいが、悩み事も多い。なぜなら、自分の希望と正反対の解が見抜けてしまう事も多いから。


Posted by たおまさ at 15:33