1999年06月19日

潮岬にて

 前が見えなくなるようなスコールをくぐり抜けて車を走らせた潮岬。望楼の芝にたどり着いた頃にはすっかり止んでいた。

 雨や風に負けたことは確かにある。しかし、いつだって負けると諦めてるわけじゃないぜ。エンジンキー捻れば走り出せる。

 いつだって乗り越えてきたんだ。不死身になれる。心蘇る時。この缶コーラを飲み干せば新しい僕。

 負けた試合を思い出して数えたけど、笑っちゃったよ、なんだか懐かしい。でも僕の試合なんだよ、誰にも邪魔はさせない。勝つまで続ける。それでいいじゃん。 とにかく走り出せば何かが始まる。

 惨めな気持ちに取り憑かれそうになったけど、心を裸にしてこう叫んでやったんだ。

 「これが俺さ!」

 隠さずに見つめよう。たとえどんなに今はサエない奴でも僕は僕と付き合おう。素敵な奴になれるように磨きを掛けよう。

 何度倒されたって立ち上がれる。過去も未来もこの胸にある。

帰りに、携帯用灰皿を買って帰った。きっと、必要だ。


Posted by たおまさ at 15:29