1999年06月03日

蝶に恋した蜘蛛

 ある時一匹の蜘蛛が大空を自由に舞う揚羽蝶に恋したんだそうだ。何とか気持ちを伝えたくて蜘蛛は精一杯美しい巣を張った。太陽の光を浴びて美しく輝く巣の糸に揚羽蝶は引き寄せられて、挙げ句の果てに引っ掛かってしまう。絡まった糸をほどこうと蜘蛛が近寄ろうとすると揚羽蝶は「私を食べないで」と叫び、藻掻けば藻掻くほど糸に絡まっていくばかりだった。

 ただ切ないだけの話。蜘蛛は気付くしかなかった。


Posted by たおまさ at 15:13