1999年03月29日

お前の口からは甘い声
俺の口からは血と涙
男としての血と涙
丸い月を見上げて歯を食いしばり
唇を切った
吸うとしょっぱい味がした
赤い涙の味がした

大声を出しても誰にも届かないだろう
お前の声ももう聞こえない
内藏をえぐるのは不愉快だが
えぐられるのは快感だ
俺の勝手だ
拳を握りしめて掌を切った
皺に沿って赤が流れた
久しぶりの感覚だ
死にたい

靴底は知らぬ間にすり減った
いつも彷徨った
このこみ上げる実体のない怒りは一体何処から
ぶつける処などないじゃないか!
ケツを拭くのが下手クソな俺は
多分こうして行き場を失っていく
イイヒトじゃないのにイイヒトを演じ
面倒な手続きを踏んでいるうちに人は離れて徃く

僕が此れまでに手に入れた友情なんて
コンペイトウみたいにツクリモノの甘さで
噛んで呑みこんじまえばそれでおしまい
しかし俺はそれが恐ろしくて出来ない
俺の掌はコンペイトウでいっぱいさ
ほらキレイだろ?
もっとよく見てくれよ
誰も見てくれない
見ていないのに「キレイだね」という
そろそろ飽きた

気持ちいいんだろ?そうだろ?最高だろ?
メチャクチャにしてやろうか?
俺?失うモノなんて何もないぜ?
車は何処に向かっている?
そう、そこだ
気を付けろ!みんな見てるぜ
俺の口からは血と涙
ドロドロの内藏が溢れ出てくる
全部出せばきっと俺も楽になる

7月に世界が終われば多分僕は報われる
なんだかよくわからない
どこかで何かが外れる音がした
俺の最後の砦だけが
冷えた足を歩ませる。


Posted by たおまさ at 05:19