1999年01月31日

次の滝

 昼まで寝たが、外を見るとあまりに天気が良かったので、久し振りに「次の滝」を見に行った。「次の滝」は昔僕がバイクで県内を走り回っていた頃偶然に見つけた滝の名で、有田郡金屋町にある。国道沿いにちゃんと標識は出ているのだがあまり人は訪れないようで、一筋に墜ちる水筋が大変美しい。

 正午過ぎに会社に顔を出し、夜の準備ができていることを確認してから、国道42号をひたすら南下。途中から有田川北岸の国道480号にルートを移して今度はひたすら東進。有田川を見ながらミカン畑の中をのんびり走る路が心地好い。しばらくトコトコ走っていると「次の滝」の看板が。それに沿って細い道をさらに奥に進む。しかし「次の滝」って変な名前だよなあ。

 細い川沿いに車を止め少し歩く。先に見えてきた一本の瀑筋。静だ。緊張感。雰囲気を壊したくなくて足音を殺して進む。

 2年振りに姿を見せた「次の滝」は相変らず美しかった。大きくはないが女性の腰線の様にしなやか。陰ってきた陽を受けて肌に自身の凹凸の影をクッキリと表す周りの低い山々を借景に、「次の滝」は僕を山水画の世界に引きずり込む。背後に白髭の老人の気配がしたのは気のせいだろう。

 ただぼんやりと暗くなるまで僕は其処にいた。


Posted by たおまさ at 04:25