1998年09月18日

星空の話

 久し振りにふと夜空を見上げたら、綺麗な星空。古人逹の産み育てた数々の物語に彩られた星座逹。私は「星座」という言い方よりも「星宿」と言った言い回しの方が好きだな。いかにも、星逹の穩やかな収まり具合が聽こえてくるようだから。

 日本の夜空の星宿のうち、私が最も愛するのは「白鳥座」。少し気取って言うなら「愛の架け橋」。天の川に羽を広げて横たわる白鳥の翼が、七夕の日に、牽牛と織姫の「橋」となる。白鳥座の主星はデネヴ。この星から天の川沿いに首が伸び、天の川を横切って羽根が広がる。つまり見事な十字架となっていて、この星宿を別名「北十字星」と言う。有名な南十字星に対して後から付けられた呼び名だが、けして身贔屓でなしに北十字星の方が、形も大きさもはるかに南のそれより美しい。

 白鳥座のくちばしに当たる星は「アルビレオ」と呼ばれる二重星。二重星とは二つの恒星が互の引力で互いの周りを回転するという不思議な存在で、世界で最も美しい名を持つアルビレオの二つの恒星は、其々温度が違うので、ある時は赤に、またある時は青に見える。

 白鳥座のデネヴ、鷲座のアルタイルこと牽牛星、こと座ベガすなわち織女星の3つが、夏の大三角と呼ばれる夏空の中心だが、吹く風はすっかりもう秋。

 「昴」ことプレアデス星団は冬空の主人公なんだけど、もう美しく輝きだしている。そうそう、冬空のもう一つの主人公、オリオンの三つ星も、深夜には低空に顏を出す。

 天体望遠鏡を引っぱり出した。


Posted by たおまさ at 12:05