1998年01月12日

灯り

海を見下ろす丘の上から凍える街を見下ろしている
人の暮らしや街の匂いが其処にはゆらゆら揺れている

大きな手で殴られて私は其処に立ち止まった
この何とも言えぬ静けさが私に強いる物は何なんだろう

いったい幾つの憎しみを乗り越えたら私と君は分かり合えるのだろう
明日君が息絶えたら一体どれだけの人が悲しむのだろう
遠いものを遠いと思うことに我々は慣れてしまったのか
敢えてそこに触れようとする人はもうこの世には居ないのだろうか

どんなに大きな憎しみでもはじめは些細な憎しみだった
私は君と抱き合いたい
互いの遠さに悶えながら

私は君を憎むために生まれてきた訳じゃない

輝くあの街に暮らしの灯りがゆらゆらと揺れているよ
その一番小さな一つずつを私と君は持っているじゃないか


Posted by たおまさ at 09:30