2006年01月13日

もっと謙虚に歴史を学べ

中国内陸部でイタイイタイ病(様の地域限局性集団疾患)が発生したらしい。正直言って、21世紀のこの時代に、この公害病を出してしまうことは恥ずかしいことなんじゃないのか。

 イタイイタイ病とは、昭和30年代に知られるようになり、昭和43年に日本で初めて公害病として認定された病気で、原因は神通川上流の鉱山の排水に含まれていたカドミウム。日本の歴史教育では、この病気を含む公害病は「盲目に産業を成長させようとした代償」であるとされ、子供心にカドミウムやダイオキシン=公害と思い込ませるほどハードインパクトな教育であり、「イケイケもいいけどあんまり無茶するとしっぺ返しもあるんだなあ」という意識を歴史から学ばせる。

 なぜ、中国で、今さら。原爆を実際落としたらこうなるんだとか、そういう事と一緒に、学べよ日本を見て。ボクらの国はあんたらんとこから多くを学ばせてもらってきたんだ。そりゃあいろいろあったけんだろうけれども、少しくらいは反面教師にしてもいいだろう。日本を馬鹿にするのは勝手だ。しかし、今イタイイタイ病にかかった人達は、世界中に馬鹿にされながら、この期に及んでそれはないでしょうとか言われながら、死んでいくのだ。国際社会の中で、中国なにやってんの!とか言われるのだ。アジアの盟主はあんたらんとこでいいからね、だったらね、そういう醜態をさらすな。

 ボクの大学卒業旅行は中国だった。留年をくらっていたため同行する仲間もない孤独な旅だったが、それでも一度は行っておきたいと心を掻き立てる歴史とロマンに満ちた大陸だった。あえて安易なパックを避け、とある紀行本をたどる形で旅行会社にスケジュールを立ててもらい、長江を溯った。
 人生で最も贅沢をした一週間だった。その場所に固定されたかのような4000年の歴史の激流の中を、ボクだけが水平に移動していた。学校で学んだ漢詩の舞台、水墨画そのままの風景、物静かで飾らない人々。すべてがでかく、深く、おおらかで、謙虚。こりゃ日本は勝てないよ、と思った。ほんの15年ほど前の思い出だ。

 そんな中国が、最近は、ちょっと変わってしまったのかなと思える。ファンとしてはちょっと悲しい変化だ。少しだけ、ほんの少しだけ、謙虚じゃなくなってきた気がする。あそこはそういう国だから、とか、歴史教育と政策がどうのこうのとか、そういう議論は不毛だ。

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Posted by たおまさ at 16:58│Comments(4)News Pickup
この記事へのコメント


日本と同じ道を歩んでいるのですからそりゃぁ今後も色々出てくるでしょう。2008年にはオリンピック、まさに高度成長期。難解だった言葉も中国語というものが標準語として定着し、英語も中心部ではOK。生活面ではすでに北京周辺は地価が高騰して税金が払えず地元の人は商売できなくなってきている。上海特区にしても現地人は許可証がなければ自由に通行できないので以前と同じ壁があり、そこで商売できる人たちは特権階級か袖の下を払ってぬけの商売をる人たちです。一方で、毎日日本から空輸で食卓を飾る果物などを取り寄せているほどの裕福な層も増えているようですが…と上海の友人が言っておりました。安い労働力もオリンピックが終われば日本と同じように値上がるでしょうし、すでに日本でも身近なモノへの影響はすでに出てきております。
いづれにせよ、そのことが良いか悪いかは歴史が決め、その歴史は勝ち組が刻むのはこの世の習わしで世界共通でしょう。
戦時中ずっと、満州にいた父親の話から中国が謙虚な国という印象は私は持っていません。顔立ちが日本人に似ている(逆か…)けれど、考え方、態度はいわゆる外人さんです。その落差は日本が米国・ヨーロッパではちょんまげの国としていまだ教科書に載っているあたりとだぶります。

まぁ、狭くて退屈、情報の少ないバーチャルな世界でいくら知識をためても前に進まないので国内旅行と同じほどの時間と旅費で行けるお隣の国へ今年、行ってきます。日本の26倍の広大な土地と世界中の人間の5人に一人が中国人。超巨大な民族・国家と本気で付き合うならということで。

公害について:
日本だけでなく世界中の商社、コングロマリット(中国自国も含む)が無茶な開発をして稼いだ後から出てくる副産物のようなもので、時すでに遅し。後には何十年とその処理班が地元対処をするわけです。
Posted by e3maxspeed at 2006年01月14日 12:30


『あのホテルは来週壊します。いえいえ、まだ200年しか経っていませんから』という説明に、ボクは参りました。
Posted by taomasa at 2006年01月15日 02:29


ナポレオン皇帝時代ですね(^。^)

でもねぇ、最近100年って単位がそう遠くない規模だと感じています。私でも50年経ってますからね。うまくいけば4-5代で200年は遡れるんですよ。家に6振り刀がありますがその内、4本は新刀です。刀で新刀というと織豊時代から江戸時代の物をいいます。2本は古刀で(平安時代末から室町末期)400年以上も前の物です。(今年研ぎに出して売ってしまおう)。200年なんてどうって事ないです。

ホテルの話:当人にとっては感覚としてそのものに価値がないので古くてもじゃまなだけなのでしょうね。しかし、見方をほんの少し変え、普段目にするこの山や川はいったい何年経っているのかと考えると人間の造築物のなんと新しいことかという気がしてきます。世界遺産の熊野古道でさえたかだかその程度の古さですよ。(かなりの部分が整備という名で近年手が加えられていますが:中には数年前、コンクリートになっってしまった箇所も市内にある!)
Posted by e3maxspeed at 2006年01月15日 10:41


物事を考えるときの時間の単位感覚がそこまでいくには、ボクはまだまだ修行が足りないですな。
しかし、人間一人が生きられるのが一世紀分、つうのんは、ものすごく面白いマッピングだわなあ。21世紀ってどうよ、たった21人分かよ、つう事になるねえ。
いまどき、なんにおいても、歴史には、敬意を払いつつも威圧される必要なんてないのかもしれない。
Posted by taomasa at 2006年01月15日 20:41
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